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2017.04.10更新

 2017年4月14日14:00~川崎合同法律事務所では家族信託学習会を行います。
 近年、「家族信託」は、遺言相続、後見等にかわる便利な制度として期待されています。しかし、「家族信託」とはなんでしょうか。
 「家族信託」とは、信託の一種です。
 信託とは委託者の財産から特定の財産を分離することで財産を管理する制度です。具体的には、委託者の財産を受託者に目的を定めて渡してしまう事になります。特定の人(受託者)を「信じて」財産を「託す」から「信託」と言うと思っていただければわかり易いとおもいます。
 財産を受託者に渡してしまうといっても、完全に受託者の財産になってしまうわけではなく、受託者は信託の目的に従った管理処分しかできません。
 つまり、信託された財産は、頼んだ人(委託者)からも頼まれた人(受託者)からも切り離された、信託の目的のための独立した財産になるというイメージです。
 この信託の内、家族間で行うものを家族信託といいます。
 では、家族信託を使うと何ができるのでしょうか。自分の財産を自分で管理できなくなるとき、自分の大切な人に財産を残したいが、その人が財産管理出来るか不安なときに問題解決に役立ちます。
 まず、自分が高齢、認知症で動けなくなったときに、信託することによって自分の予め考えていたように財産を利用できます。
 例えば、高齢、認知症の家族(自分を含む)の生活費や医療費、施設利用費の管理を、他の親族に信託する方法が考えられます。成年後見では、被後見人の為の財産保全に主眼が置かれていたのと比べると柔軟に運用可能です。
 また、単純な相続より、必要に合った財産管理が可能になります。
 例えば、自分が死亡した後や、動けなくなった後に、知的障害や、脳機能障害を持つ家族等に代わり財産管理を行うことや、浪費癖の強い家族の生活費の確保なども考えられます。
 さらに、自分が生きている間と死んだ後で連続した財産管理が可能です。
 例えば、第三者に財産を信託し、生きている間は、自分が受益者(信託財産から利益を得る人)、自分が死んだ後は指定した受益者が給付を受けることも考えられます。委託者の意思通りに、次々と後を継ぐ人を決めることが出来るのです(まだ生まれていない、孫や、甥姪を受益者にすることも可能です。)。
 家族・親族に管理を託すので、専門家のように高額な報酬は発生しません。また、親族間で財産の管理を明らかにすることで将来の争いが回避できる効用もあります。
 家族信託は、資産家のためのものでなく、誰にでも気軽に利用できる仕組みです。ただし、家族の実情にあった制度づくりが必要ですので、今回の学習会でイメージを作った後に、専門家に相談の上で、利用を考えてみてはいかがでしょうか。

投稿者: 川崎合同法律事務所

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