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2023.03.01更新

星野文紀弁護士については、こちらをご覧下さい。

今後開催予定のくらしの法律講座については、こちらから。

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2023年2月16日くらしの法律講座

「迫る相続登記義務化

 未了相続手続きの終わらせ方」 

講師:星野文紀弁護士

第1 相続登記義務化
1 迫る相続登記義務化

相続登記義務化は2024年4月1日から施行される。

相続で不動産取得を知った日から3年以内に正当な理由がなく登記・名義変更手続きをしないと10万円以下の過料の対象となる。


住所を変更した場合も不動産登記が義務化され、2年以内に正当な理由がなく手続きをしなければ5万円以下の過料の対象になる

法改正以前に所有している相続登記・住所等の変更登記が済んでいない不動産についても義務化される

2 なにがおきているのか
(1) 少子高齢化
 少子高齢化により、子供がいない、子供が少ない人が急増。土地建物に対して、人の数が急激に減ってきている。また、相続人がいない人、相続人との関係性が薄い人が増えており、管理が出来なくなっている。


(2) 意識・経済的事情の変化
 過去に急激な人口流出を経験した地方では地域経済の崩壊が顕著になっている。人の意識の変化、経済的需要の変化から集合住宅に住み続ける人が増えた。
 若年層は、購買力が弱いこともあり、持ち家を考える人が減っている。


(3) 空き家の大量発生
 上記の事情もあり、空き家が大量に発生している。平成30年住宅・土地統計調査の結果、空き家数は848万9千戸と過去最多となり、全国の住宅の13.6%。


(4) 相続未了不動産の大量発生
 「多くの不動産を所有している高齢者が高齢化で手続きが行えない」「認知症」「手続きを行ってくれる子供等がいない」「遠い親戚から相続してなじみがない、住んでいない地域の不動産を相続した」「高齢化や付き合いの無さから相続の話合いがなされない」等の事情で、相続登記をせずに放置される所有者不明土地が大量発生。
 2011年の東日本大震災後の用地買収や復興事業の妨げとなったことで判明。登記名義人が故人であるなど所有者がすぐに分からない事例が大量発生した。所有者不明土地の総面積は、16年時点で九州より広い約410万ヘクタールという推計も出ている。

登記簿に正しい所有者が反映されていないと土地の利用・活用に支障が出る
  ↓

 強制化

もう誰も住んでいない実家がほったらかし

住んでいる家が、死んだおじいちゃんの名義になっているがそのまま   

  ↓
良くありますが罰則がくるようになります。



3 相続登記を放置することの他の不利益


 過料以外にも放置によって以下の不利益が考えられます。
   被相続人が高齢化する
   過去の経緯がわからなくなる被相続人が増える
   被相続人間が疎遠になる
   一人当たり相続分が減って採算が合わなくなる
   他の相続財産が逸失するため調整がつきにくくなる長期間不動産の利用が十分できなくなる。
   不動産の処分時期も逸する
   手続きをしなくても税金や管理責任は来る
   近隣はもとより、地域にも迷惑、地域崩壊の原因となる

第2 相続登記の手順

どうすれば登記義務を免れるか

1 そもそも相続したくない → 相続放棄してください

(相続を知ったときから3ヶ月以内に家庭裁判所に申出)
 但し、他の人が管理するまで管理義務を負う


2 相続土地国庫帰属法


 一筆当たり20万円~負担金を払って国に土地を引き取ってもらう制度。令和5年(2023年)4月27日から施行。但し、要件は厳しい。以下の一つでも当てはまるとダメ


・建物が立っている土地
・担保権や収益につながる権利が設定されている土地
・通路等第三者による利用が予定されている土地
・有害物質で汚染されている土地
・境界の不明な土地やその他所有権の範囲等で争いがある土地
・崖にあり、管理に過大な労力や費用がかかる土地
・管理作業を阻害する有体物(車や樹木他)がある土地
・管理・処分を阻害する有体物が埋まっている土地
・隣地所有者と紛争が起きていることで、管理が困難な土地
・その他管理に多くの時間・費用・労力を必要とする

3 相続の手続き
 相続人を探す
 相続人で分け方を合意する
 合意に従って登記等を動かす

   以上の3つ

(1) ステップは簡単だけど進まない。なぜ進まないのか

 そもそも被相続人がわからない

 他の相続人と連絡がつかない
  → 話合いもできない
 他の被相続人が知らない人、話したことのない人

 他の被相続人が認知症になった
  → 話合いがまとまらない

 高齢で動けるひとがいない
 どうすればいいのかわからない
  → とにかく手続きがすすまない


(2) 進まない手続きをどうやって進めるか
 弁護士に相続人を探してもらう

 他の相続人に連絡を取ってもらう

 後見人をたてる
 裁判所の調停や審判を駆使して話をまとめる
 土地の売却等経済的障害を突破するアイデアをたてる


(3) 弁護士費用は、経済的利益によります。

 頑張って、分割手続きを終えましょう 弁護士がお手伝いします。
 相談だけでも道が開けるかもしれません。

投稿者: 川崎合同法律事務所

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