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2016.08.17更新

 本年、1月18日、横浜地裁川崎支部は、大方の予想を裏切って、原告敗訴とした。その要点は、午後2時のアルコール検査で、高い数値が出た以上、前日の9時以降飲んでいないという原告の主張は信用できない、高い数値が出た以上、懲戒解雇はやむを得ないというものであった。

 本件は、アルコール検査で高い数値は出たが、事故を起こしたわけでもなく、酒気帯びで業務をしたわけでもないのに、1回の検査結果だけで、死刑判決にも等しい懲戒解雇処分とすることが許されるかという点が問われていた。原告は、これまで処分歴もなく、特段の交通違反歴もなく、優秀な運転手と評価されていたことからすれば、その不合理性は際だつ。

 しかし、川崎支部は数値を根拠に、前日来飲んでいないという原告の主張を嘘と決めつけ、嘘の弁解をするような運転手は厳罰でもかまわないという偏見に基づき、懲戒解雇処分を合理化したのである。当時、検査を受けたくないとごねて検査を免れた者もいるというような杜撰な検査体制であったとする原告側の指摘も無視した。

 原告側は、直ちに控訴した。原告は、会社と同じ検知器を購入し、医療生協の協力も得つつ再現実験をし、一審では十分に反論できなかった検知器の精度自体を争うべく、現在準備中である。

投稿者: 川崎合同法律事務所

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