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後見制度は、法定後見制度と任意後見制度に分けることができます。法定後見制度(成年後見,保佐,補助)の場合、その人選は裁判所が行うところ,紛争性がある場合や裁判等の手続が予想される等の場合には,親族が成年後見人等になることは,ほとんどありません。また,希望した成年後見人等候補者がそのまま成年後見人等になるとは限りません。ですので,判断能力が不十分になった場合に備えて,信頼できる弁護士に自分の財産の管理を任せたい場合には,その弁護士との間で任意後見契約を締結しましょう。
また,他の親族等が認知症の親の財産を私的に使い込んでいる場合にも,家庭裁判所に弁護士を成年後見人として選任してもらうことで,資産の流出を防ぐととともに,以後適切に財産を管理してもらうことができます。
さらに,相続の場面で,判断能力がなくなってしまった認知症の相続人がおり,遺産分割協議ができない場合でも,相続人の4親等以内の親族が成年後見人の選任を求め,成年後見人が選任されれば,遺産分割協議を進めることができます。
判断能力の減退度合いに応じて、以下に挙げる3種類の後見人制度を利用できます。
「補助」
判断能力の喪失★
ご本人の意思や行動は、原則として尊重されます。「補助人」は普段の生活に介入せず、判断が難しい場面で被後見人を手助けします。その際、どこまでサポートするのかをあらかじめ決めることができますので、弾力性の高い運用方法といえるでしょう。
「保佐」
判断能力の損失★★
ご本人の意思や行動は、ある程度尊重されます。「補佐人」は、ご本人が行った法律行為を、後からキャンセルすることができます。こうした介入は不具合などが生じた場合に限られ、被後見人の代理として動くことはできません。
「後見」
判断能力の損失★★★
ご本人の意思や行動は、ほとんど尊重されません。「後見人」は、ご本人の財産に関するすべての法律行為を代理し、または取り消すことができます。重度な知的障害者や認知症患者などを想定し、法定後見制度を利用するほとんどのケースが、この「後見」となっています。
任意後見制度について
自分の判断能力がしっかりしているうちに、今後のサポート役を任命する制度です。
「任意代理契約」
本人と契約者の間で、財産の管理方法などを書面によって定めておきます。原則として自由契約となりますので、外部によるチェック機能はありません。
「任意後見契約」
裁判所によって選任された監督人が、任意後見人の業務を定期的に確認します。「任意代理契約」から始め、ご本人の判断能力が損なわれた段階で「任意後見契約」に切り替えることも可能です。
ご自身やご両親の財産管理について不安があれば、ぜひ一度、弁護士にご相談されることをお勧め致します。成年後見開始の申立てにおいて,当事務所の弁護士が複雑な手続を代理するのみならず,成年後見人候補者となることもできます,また,日ごろの財産管理契約から連続した形で,任意後見契約を締結することもできますので,お気軽にご相談ください。