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2016.08.17更新

 私が所属している横浜弁護士会の貧困問題対策本部と消費者問題対策委員会とが2011年に共同で立ち上げた自殺問題対策プロジェクトチームは、今年も、神奈川県地域自殺対策緊急強化交付金事業から補助金を受けて自殺対策の取り組みを行なっております。

 昨年は、「就活自殺」をテーマに、相談会、シンポジウムを開催し、多くの市民の方にご参加いただきましたが、今年は、同じ若者の自殺の問題の中でも、正社員として就職できたにもかかわらず自殺に追い込まれてしまう「ブラック企業と若者の自殺」の問題について、2月22日に横浜弁護士会館を会場としてシンポジウムを行いました。

 シンポジウムは、若者からの労働相談を毎年数百件受けているNPO法人POSSEの代表である今野晴貴さんと、当会会員でブラック企業被害対策弁護団でも活躍されている嶋崎量弁護士、ブラック企業に対して現在訴訟準備中の当事者の方をお招きして開催しました。

 シンポジウムでは、現在、急激な成長を遂げるIT、外食、介護、小売といった業界で「ブラック企業」が急激に成長・増加していること、そこに定義さえ不明確な「正社員」という謳い文句に惹かれて急激に若者が取り込まれていっていること、若者の嗜好の変化という問題とブラック企業の問題が混乱して捉えられていることの危険性などが指摘され、被害者の救済の具体的事例のご紹介などもありました。来場された市民の方からは、「ブラック企業の実態のすごさに驚いた」「知人や家族などに話してあげるつもりです」「再度開催を希望します」といったご意見を多数いただきました。

 14年連続で3万人を超えた自殺者数が、近年2年連続で3万人を切ったというニュースはとても喜ばしいですが、20~39歳の各年代の死因の第1位は自殺であるという現状は未だ変わってはいません。シンポジウムの開催は、ブラック企業で使い捨てにされ苦しむ若者を一人でも多く助けたいという決意を新たにする機会となりました。

投稿者: 川崎合同法律事務所

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